国家が産み出す若手映画監督たち~「ndjc」の成果

「ndjc」、若手映画作家育成プログラム(new directions in japanese cinema)は、日本が国家事業として新人映画監督を発掘するプロジェクトだ。文化庁から委託を受けた「映像産業振興機構」が運営している。
 初夏に数十名からの応募を受けつけ、その中から選ばれた15名が盛夏にワークショップを受ける。その中から選抜された4名が、晩夏から年末にかけて短編映画を撮る。来年の2月から3月にかけて作品が発表されることになっている。
 2010年度のプログラムに参加した松永大司監督は、昨年「トイレのピエタ」を撮った。作品の評価は高かった。2012年参加の小林達夫監督も、「合葬」を昨年撮り、2008年参加の中野量太監督は、「湯をわかすほどの熱い愛」を撮って今秋公開予定になっている。
 1970年代、テレビに押されて消滅寸前にまで追いつめられた日本映画界。だが、国家は“たかが娯楽産業にしかすぎないものは、ほったらかしておけ”という冷酷な態度をとりつづけ、文化庁のわずかな予算による雀の涙ほどの製作支援金がお情けで出されてきた。だが、急速な少子高齢化が進んで大企業が軒並み低迷し、日本そのものに危機が訪れてから、日本政府はにわかに「観光立国」「ソフト大国」などと喧伝し始めた。ようやく、才能ある若手映画人にも映画製作資金が援助される時代になったといえる。

 今年ndjcで選ばれた4人の映画作家による作品が、3月5日から東京のユーロスペースで公開される。大阪では3月19日からシネ・リーブル梅田で公開される。

* 佐藤快麿 監督作品「壊れ始めてる、ヘイヘイヘイ」(アスミックエース製作)
* ふくだももこ 監督作品「父の結婚」(ブースタープロジェクト製作)
* 藤井悠輔 監督作品「罪とバス」(東映東京撮影所製作)
* 堀江貴大 監督作品「はなくじらちち」(東宝映画製作)

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック