生誕100年・ドナルド・キーン展~日本文化へのひとすじの道

dnald keen.jpg
神奈川近代文学館でドナルド・キーン展が開かれている(22年5月28日から7月24日)。最晩年に日本に帰化し、90歳を超えても著作を発表し続け、97歳で亡くなるまでの詳細な文学活動が展示されている。ニューヨークで生まれたドナルド・キーンは、幼かった妹を病で亡くした後、両親が離婚し、母親と暮らした。その頭脳は素晴らしく、飛び級で大学に入っている。18歳のときに偶然手にした本がケンブリッジ大学教授アーサー・ウエリー訳「源氏物語」だった。子供の頃から世界各地に強い興味を持っていたドナルド・キーンは、「源氏物語」に描かれていた華やかな宮廷での恋愛物語に魅せられたのだ。その後、真珠湾攻撃が起こり、米国は日本と戦争になる。米国海軍は日本語の語学学校を設立し、修了生たちを戦地に送った。ドナルド・キーンもその一人だった。捕虜になった日本人から情報を収集し、戦地で回収した日本軍の文書や兵隊たちの日記を翻訳した。戦地で読んだ日本兵の日記や遺書に感銘を受けたことが、後の日本人の日記研究に結びついていった。戦後、ドナルド・キーンはコロンビア大学で教鞭をとりながら、都内にマンションを購入して半年近くを日本で暮らし、様々な日本文学関係者と交わることになる。能、狂言、歌舞伎といった伝統芸能の関係者とも深く交わり、日本文化を世界に紹介していった。展示場には、「買い物(牛肉)をするドナルド・キーン」「料理(海老ピラフ)をするドナルド・キーン」「変顔のドナルド・キーン」「能役者になったドナルド・キーン」など、珍しい写真が並んでいる。

この記事へのコメント