ノイズ(22年公開DVD)

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伊勢湾に浮かぶ小島「猪狩島」。ここは過疎化に悩んでいたが、若い農家の泉(藤原竜也)が栽培する黒いちじくが島の名産品となり、新たな希望が生まれている。泉を手伝いながら猟師をする田辺(松山ケンイチ)、新任の駐在警察官となって島に戻ってきた守屋(神木隆之介)は幼馴染で、悲劇の体験者でもあった。彼らが高校生のとき、連絡船遭難事故が起きて、多くの島民が死んだ。親を亡くした子供たちを島民たちが我が子のように見守ってきたのだ。そこへ、幼女暴行致死の前科を持つ小御坂(渡辺大知)が保護司と共にやってくる。泉の営む農園の募集に応じるためだった。だが、小御坂は突然保護司を車内で絞殺してしまう。島をうろつく小御坂の目に止まったのは、泉の娘だった。妻(黒木華)、田辺の3人で娘を探し回った泉は、温室で小御坂を見つける。娘が狙われたと直感した泉は咄嗟に小御坂を突き倒して殺してしまう…。筒井哲也原作、片岡翔脚本の物語は、閉鎖的な小島で起きた殺人事件が次第に大きくなっていく姿を描いている。事件の露見を恐れた泉は、田辺と守屋の協力で死体を隠すことにする。だが、島に渡ったまま戻ってこない保護司と小御坂の行方を追う県警の2人の刑事(永瀬正敏、伊藤歩)がやってくる。同じ頃、黒いちじくが有名になった島は5億円の交付金を得ることになり、町長(余貴美子)は交付金獲得に懸命になる。町長は老人(柄本明)の通報により、泉たちがビニールシートに包まれた死体らしきものを運んだことを知る。町長は事件を早急に収めるため、誰かがすぐに自首するように命じるのだが、町長が殺されてしまう。保護司の死体が発見されたばかりか、町長、通報した老人と2つの死体が加わったのだ。泉たちは次第に追い詰められていく。幼い娘を案じた父親の起こした不本意な犯罪が、次第に島民を巻き込む大事件になっていく。誰もが救われないラストは悲劇そのものだ。廣木隆一監督作品。

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