シェイクスピアの庭(20年公開DVD)

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ウイリアム・シェイクスピアは実在の人物だが、彼自らが作品を書いたのか、という議論がある。ベン・エルトンの脚本の中に、借金塗れの父親のために14歳で学校を中退したという台詞がある。しかも、シェイクスピアには海外体験が全くない。学歴もなく外国にも行ったことのないシェイクスピアが、歴史や外国の確かな知識、豊かな教養と詩文の才能に満ち溢れた傑作の数々を書けたのかという疑問があるのだ。作品の中でシェイクスピア(ケネス・ブラナー)は、数多くの読書と体験、人々の話しの中から戯曲は生まれたと答えている。1613年、ロンドンのグローブ座でヘンリー8世上演中に、舞台で使用した大砲から出た火が燃えあがり、劇場は消失した。グローブ座の経営者でもあったシェイクスピアは、筆を折って故郷に戻った。ストラットフォード・アポン・エイヴォンには妻のアン(ジュディ・デンチ)と娘のジュディス(キャスリン・ワイルダー)が暮らしていた。ロンドンで目覚しい成功を治めたシェイクスピアは、家族に大きな屋敷と金を与えてきたが、故郷には20年間も戻っていなかった。その家には傷ましい記憶が眠っていた。シェイクスピアが成長を楽しみにしていた息子のハムネットが11歳で疫病のために死んだのだ。家に戻ったシェイクスピアは、ハムネットのために庭を造り始める。シェイクスピアは18歳の時、年上のアンが身篭り結婚したが、アンは読み書きができなかった。ジュディスの姉、スザンナ(リディア・ウイルソン)は読み書きができたが、ジュディスはできない。ハムネットが書いた幼い詩を、シェイクスピアは大切にしてきた。生きていれば才能豊かな後継者になったと。だが、家族と暮らしていくうちに、20年も家に戻らなかったシェイクスピアに対して、アンやジュディスの本心が露わになっていく。その上、ハムネットの秘密も明らかになっていく。ハムネットが書いた詩は、ジュディスが思いつき、ハムネットが書き取ったものだった。ハムネットには詩の才能がなかったのだ。それが父親に知れることを恐れてさえいた。やがて、ジュディスは結婚し妊娠する。シェイクスピアには嬉しい知らせだったが、ハムネットの死亡記録を見た時、真実に気づく。ハムネットは疫病で死んだことになっている。だが、その年に死んだのはハムネットと数人の子供だけだ。疫病ならたくさんの子供たちが死んでいたはずだ。問い詰められたアンとジュディスは、重い口を開く。ハムネットが死んだ本当の理由を…。ケネス・ブラナー主演、監督作品。

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