ラスト・ディール、美術商と名前を失くした肖像(20年公開DVD)

フィンランドで撮られた絵画をめぐる佳作だ。フィンランドで美術商が軒を並べる一角に、古びた店がある。店主は年老いたオラヴィ(ヘイッキ・ノウシアイネン)。若い頃から一攫千金を狙って来た男だが、隠れた名画を手にすることもなく、借金塗れの日々を送って来た。妻は亡くなり、一人娘のレア(ビルヨ・ロンカ)とも長い間音信不通だ。そのオラヴィが、…
コメント:0

続きを読むread more

切腹(1962年公開DVD)

22年に90歳となる名優・仲代達矢、29歳の時の傑作だ。作品の中ではすでに孫もいる役柄だが、小林正樹監督は若き仲代達矢の演技力を信頼して主役に抜擢したのだろう。滝口康彦の短編を原作に、大胆かつ緻密に組み立てられた橋本忍の名脚本を、小林正樹監督が重厚に演出している。時代は徳川家光が将軍となった寛永7年。大坂の陣で豊臣家が滅び、徳川…
コメント:0

続きを読むread more

おいしいごはんが食べられますように(高瀬隼子作、第167回芥川賞受賞作品「文藝春秋」22年9月特別号掲載)

33歳の作者は、受賞作の舞台を埼玉県内の小さな職場に設定している。飲料などのラベルパッケージを製作する企業で、全国に13の支店がある。その会社の埼玉支店で働く30才前後の会社員たちの姿が描かれる。そこには中年の支店長、支店長補佐の他に入社7年目の男性社員・二谷、6年目の女性社員・芦川さん、5年目の女性社員・押尾さんたちがいる。芦川さんは…
コメント:0

続きを読むread more